子供のための発表会/自立と表現の場として

2019.01.05

発表会で経験できること♪

群馬音楽アカデミーでは、年に2回発表会を行っています。5月のアカデミー祭と11月のアカデミーウィンターコンサートです。この発表会は子供たちにとって、大変貴重な機会となっています。

音楽の発表会について海外の事情を見てみると、実は欧米の音楽学校では年に3,4回発表会を行うような学校もあり、発表の機会がたくさんあります。なぜ発表会はそれほど重要なのでしょうか。

子供たちは日々、レッスンで色々な作品を弾いたり、歌ったり、リズムをとったりと、音楽を通じて感性を磨いています。 音楽から色々なものを吸収しているわけですが、吸収したらその次にくること・・

そうです、吸収したものを自分の中で解釈し、表現することが大切です。この、自分が感じたこと、思ったことを自分なりに表現するという行為はとても大切な作業です。

自分の感じたことを表現することは意外と難しく、大人であっても思ったことを自分なりに表現することは簡単ではありません。

せっかく色々なことを吸収しているわけですから、それを表現する場や経験がなければ宝の持ち腐れになってしまいます。

子供が才能をもちながら発揮できないことがあったとすれば、それは表現の仕方がわからないなど、経験不足からくるものです。

欧米の音楽学校で発表会の回数が多いのは、個性の発揮を尊ぶ西欧人が発表の機会をより多くもとうと考えているからです。

子供が自立できるかどうか♪

当学院の発表会では、生徒1人1人が自分の舞台として演奏できる雰囲気作りに努めています。緊張感もありますが、子供が早くから自立し、大勢の観客の前でも立派に発表できることを願っています。

小さな子供たちは、最初は無心であまり緊張することなく、ある意味で堂々と演奏してくれます。もちろん、いきなり聴く人を感嘆させるような演奏をするわけではありませんが、子供たち1人1人の感性や性格が演奏に非常によく出ます。

大切なことは、子供の頃からこうした発表体験に慣れておけば、いざ大舞台に立ったときにも臆することなく自分の力を発揮できるようになるということです。

大きくなってからだと、恥ずかしいという意識が出てきて人前で発表することが難しくなってきます。

一見、子供にとって緊張感のある舞台に1人で立つことは大変なことのように思えるかも知れません。ですが、子供たちが社会に出れば、いずれ必ず1人で社会と向き合い、自分の力を発揮しなければならないときが来ます。

その経験は早ければ早いほどそれに越したことはありません。

音楽には合奏など、集団で発表するという醍醐味もありますが、日本の子供たちにとっては、集団の中で表現する機会は幼稚園や学校、クラブ活動など、比較的多くあります。

1人で舞台に立つという経験は日常生活や学校生活では稀で、実は子供にとっては何事にも変えがたい大変貴重な機会です。

それからもう一つ、発表会には大切な目的があります。それは他の生徒の演奏や表現の仕方、つまり、他人の感性や意見を認めてあげられる寛容さを養うことです。

テンポやリズム、タッチなど、どんな弾きで表現しているのかじっと観察して下さい。演奏からその子の性格まで見えてくるようになります。やがて、友達の演奏に対しても自分の思いや感想がもてるようになり、どんな点がよかったのか、他人の良いところが分かる大人に成長することができます。

父母の皆様には、発表会を子供が自立するための晴れ舞台として、また大人としての寛容さを養う場として見ていただき、見守ってあげてほしいと思います。この経験は将来きっと子供たちの大きな財産になるはずです。

音楽コラム